Monday, January 7, 2013

電池不要! じゃがいもで動く小さな時計「じゃがいもeco時計」

電池不要! じゃがいもで動く小さな時計「じゃがいもeco時計」
橘十徳の「自腹ですが何か?」:
 節電志向が高まる中、なんと電池やAC電源をいっさい使わない時計が登場した。その名も「じゃがいもeco時計」。名前の通り、じゃがいも使って動かせるミニ時計である。

【橘十徳の「自腹ですが何か?」:電池不要! じゃがいもで動く小さな時計「じゃがいもeco時計」】

 電池を使わずにいったいどうやって動かすかというと、実はじゃがいもに挿した亜鉛板が溶け出すことにより電流が発生するという化学反応を利用している。電線でつながれた亜鉛板と銅板をじゃがいもに挿し込むと、亜鉛がじゃがいもに含まれているリン酸と反応して亜鉛原子から電子が外れて、亜鉛イオンと電子とに分かれる。

 亜鉛イオンはじゃがいもに残るが、電子は電線を通って銅板側に移動する。銅板側に移動した電子はじゃがいもに含まれている水素イオンと結合して水素ガスとなって放出されるので、電子が銅板側にたまることなく次々と流れ続ける。この電子の流れによって電流が生まれて、時計に電気が送られるという。

 価格はJTTの直販サイトで税込・送料別で680円と、かなりお得な値段なので、迷わず買ってしまった。もちろんこの値段にはじゃがいもは含まれていないので、別に用意する必要がある。

●2個のじゃがいもに銅板と亜鉛板を1枚ずつ挿し込めば時計がスタート

 セット内容は、デジタル時計と亜鉛板が2枚、銅板が2枚、ケーブル1本、カップが2つ、電極とケーブルを接続する際に使う固定テープ、説明書。パッケージを開けてすぐに使えるようにはなっていないので、説明書を見ながら組み立てる必要がある。

 ただし、組立自体は実に簡単だ。まずは黄色ケーブル先の絶縁体を外して、導体の鉄線をむき出しにする、次に亜鉛板と銅板を黄色ケーブルでつなげる。つなげる際はハンダ付けなどはする必要がなく、電極の穴に鉄線を通してねじり、粘着テープで止めるだけ。時計に付いているケーブルにも、同じように亜鉛板と銅板を接続する。

 用意するじゃがいもは2つで、それぞれに黄色ケーブルにつながった亜鉛板と銅板を挿し込む。次に、亜鉛板を挿し込んだじゃがいもに、時計の赤ケーブルにつながっている銅板を挿し込む。さらに、黄色ケーブルにつながった銅板を挿し込んだじゃがいもに、時計の黒ケーブルにつながっている亜鉛板を挿し込む。要するに、2個のじゃがいものそれぞれに、異なるケーブルにつながる銅板と亜鉛板を1枚ずつ挿し込むわけだ。これらの作業が完了すると、電気が流れて時計が動き出す。

●じゃがいもだけでなくフルーツ・野菜や炭酸飲料も使用可能

 時計のサイズは65(横)×31(縦)×11(奥行き)ミリ、質量は約21グラム。スイッチなどは搭載されておらず、じゃがいもに電極を差し込むだけですぐに時刻が表示される。

 時刻は初期状態では12月1日の午前12時に設定されているので、時刻を合わせる必要がある。時計の操作ボタンは2つのみ。液晶に表示されるのは時刻だけと実にシンプルで、右側のボタンを押すと月日表示に変わる。正直安っぽい感じだが、値段が値段だけに仕方ないだろう。

 電極を挿し込むものはじゃがいもだけでなく、トマトやレモンなどリン酸を含む野菜やフルーツならば「電源」として使える。また、食べ物だけでなくコーラなどの炭酸飲料でもOKだそうだ。筆者もじゃがいものほかにレモンやコーラなどで試してみたが、いずれも時計はしっかり動いた。

●使い終わった野菜やフルーツは絶対に飲食不可

 ところでじゃがいもを使った場合、どれくらいの期間、時計が動くかJTTに問い合わせたところ、「野菜やフルーツが悪くなるまで」という回答だった。食材の大きさや量によっても異なるが、食物や液体の中にリン酸が残っている限りは使える。リン酸が尽きるよりも食材が腐るほうが早く訪れるケースのほうが多いということだろう。時計自体はかなり省電力なので、乾電池を使った場合とコストを比べた場合、どちらがお得なのかは分からない。

 ちなみに使用したじゃがいもなどは、絶対に食べないように注意書きが記載されている。使用後の食物には亜鉛板から亜鉛がしみ出しているためだ。亜鉛は人体には必要な金属だが、過剰摂取すると身体に異常が起こる可能性があるという。とくに子どもが誤って口に入れないように注意が必要だ。使った食材を捨ててしまうのはちょっともったいない気もするが、時計の電源として立派に役立ってくれたのだからまあ良しとしよう。

 「じゃがいもeco時計」は時計としては機能が貧弱で物足りないものの、じゃがいもに挿しただけで電池を使わずに時計が動いているのを見ると、そのビジュアルインパクトは大きい。使用する野菜やフルーツなどのレイアウトを工夫すれば、ユニークなインテリア小物としても使えるのではないだろうか。使った食材を誤って食べさせないように注意しさえすれば、子どもの学習実験用としても優れていると思う。

[橘十徳,ITmedia]【関連記事】 ARモンスターを撃ちまくれ! タカラトミーアーツ「モンスターシューティングリアル」 あれば安心、緊急地震速報/緊急警報放送を受信できる防災ラジオライト「グラピカ」 疲れた肩や腰をさすりまくれ! パナソニック「サスリバイブ」 塩と水で発電するLEDランタン「GH-LED10WB」
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